日本の産地とのつながり 京都府丹後Vol2
- 会社紹介
佳雅の自社ブランド「DuRe(デュレ)」は、石川県小松の小倉織物で上質なシルク生地を作り、1300年以上のシルクの歴史を持つ京都府丹後の丹後織物工業組合に渡り、スレに強く洗濯を可能にする丹後独自のハイパーガード加工や精練を施しています。
■伝統の技術と最新の機械で独自技術を開発する丹後織物工業組合
丹後織物工業組合の歴史は古く、創立は大正10年、昭和38年に改組し現在に至っている。京丹後市大宮町にある直営工場の建物は昭和41年に建てられたが、当時の丹後はオーダーがやまず、工場の増築や機械の導入を絶えず続けた。あまりのオーダーの多さに、織機を一回「ガチャン」と動かすたびに「万」が入ることから「ガチャマン」と呼んでいたという程です。なお、当時500人を超す程いたという工場の職員は現在40人程度となっていますが、組合加盟件数は京丹後市や与謝野町、舞鶴市などから約600件にも及び、現在は生地の製造から商品開発における全プロセスを丹後地域内でワンストップで行えるようになっています。ハイパーガード加工をはじめとした特殊加工は組合直営工場で施し、独自の優れた技術を生み出すために、最新の機械や今や生産終了してしまった古い機械を導入することも惜しみません。直営工場では、当時の家屋や機械と伝統の技術、最新機械をかけあわせながら、一反一反丁寧に織られています。
■1日に500トンの水を使う精練
シルク織物で欠かせない工程が、精練です。精練は、織り上がったシルク生地に含まれる樹脂や油剤などの不純物、また生糸に付着しているセリシンというたんぱく質成分を洗い流し、本来のツヤや柔らかさ、シボ(立体的なふくらみ)を出すための加工です。不純物があると後の染色や他の加工での妨げになるため、精練でしっかり取り除きます。丹後織物工業組合では今でも1日に500トンの水を使いますが、この水が丹後の良質な水だからこそ、溶けるような柔らかいシルク生地が生まれます。
■一人前になるには15年と言われる精練職人
水も生地も生き物と同じ。気温や湿気などの環境変化でまったく違う表情、質感になります。けれども、同じ種類の生地なのに環境や条件が異なるからと仕上がりを変えるわけにはいきません。異なる環境や条件で精練しても、染色の際に同じ色に染め上がるように、同じように仕上げなければなりません。それができるのが一人前。一定ではない水の違い、生地の違いを読み、コントロールするのが一人前の職人の仕事です。今でも年間12万反の精練加工を行っているそうですが、“ガチャマン”当時の最盛期は4工場で1000万反も行っていたそうです。気が遠くなるような作業ですが、職人は一回一回生き物を触るように丁寧に水と生地に触れて、感触を確かめます。精練の際の水は93~96℃に保ちますが、職人は指を入れるだけでその温度がわかります。
ちなみに、セリシンは人間の肌にきわめて近い組成のたんぱく質成分で理想的な天然保湿成分として、化粧水や入浴剤などで多く使われています。手術の際に傷口をシルクで縫合することがあるのは、シルクが人間の肌に近い組成だからです。一人前の職人は日々セリシンが溶けた水に触れていますので、手がツヤツヤプルプルです。手を見れば職人の腕がわかるかもしれません。
DuReは、精練を施し、ハイパーガード加工をした後、再度精練し、乾燥します。シルクの熱耐性は150℃が限界と言われ、丹後織物工業組合では140℃前後で乾燥しますが、その温度も季節で変え、機械の早さも変えています。その後仕上がった生地は職人たちの目視によって、スレやムラ、汚れがないかチェックし出荷されていきます。
類まれな丹後の自然と四季から育まれた良質な水、長年の研鑽を積んだ職人の技、精度が高い最新機械。DuReの繊細な表情は、丹後が保有する日本最高レベルの要素が組み合わさって生まれています。横浜で生まれ日本各地を旅して戻ってくるDuReは、日本のシルク織物の伝統と歴史の集積です。職人たちの想いが詰まったそのひとつひとつの表情をお楽しみいただけると嬉しいです。
DuRe(Cocoon)
丹後織物工業組合
Web: https://tanko.or.jp/
Contact Contact お気軽にお問い合わせください
製品に関するお問い合わせは、お気軽にご連絡ください。
-
お電話でのお問い合わせ営業時間 9:00~18:00(土日祝を除く)
-
フォームからお問い合わせ